Jun 06, 2023
三菱重工業株式会社 企業情報
プレス情報 SHARE ・受注していたTFコイル5台が全て完成し、最終1台は今月神戸港から出荷予定。 ・核融合エネルギーの実現に貢献
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・ 受注したTFコイル5基は全て完成し、最終ユニットは今月神戸港から出荷される予定 ・ ダイバータなどITERの中核コンポーネントの開発や、核融合エネルギーの設計開発支援を通じて核融合エネルギーの実現に貢献核融合原型炉。
最終的なTFコイルユニット完成
東京、2023年8月24日 - 三菱重工業株式会社(MHI)は、日本の量子科学技術研究開発機構(QST)が発注した核融合実験炉ITER用の最終トロイダル磁場(TF)コイルの製造を完了した。原子炉は現在、南フランスのサン・ポール・レ・デュランスで建設中である。 ITERのTFコイル全19基のうち9基の製造を日本が担当しており、そのうち三菱重工は5基のコイルの製造を担当した。
ITER用のTFコイルは、高さ16.5メートル、幅9メートル、総重量300トンの巨大な超電導コイルで、原子炉内で核融合反応を開始するには0.01%以内の製造精度が必要です。 三菱重工は、これまで培ってきた製造難易度の高い製品の量産技術に関する豊富な知見を結集し、2020年1月に世界初のITER用TFコイルを完成させた。 すでに完成した4基のTFコイルは、神戸港から順次南フランスへ輸送され、建設現場に設置されています。 この最新ユニットは今月神戸から出荷される予定です。
当社ではTFコイル以外にもダイバータ(注1)や赤道ECランチャー(注2)などのコアコンポーネントの開発・製造にも取り組んでいます。 三菱重工は、今後もITER計画に続いて建設が予定されている核融合原型炉の設計開発を積極的に支援し、核融合エネルギーの実現に貢献していきます。
最終的なTFコイルの出荷
原子炉サイトへの設置 (© ITER Organization)
プロジェクトの背景
ITER計画は、核融合エネルギーの実現を科学技術の両面から実証することを目的とした国際的な巨大プロジェクトです(注3)。 7か国(日本、EU、米国、ロシア、韓国、中国、インド)が参加し、フランスのサン・ポール・レ・デュランスでITERの建設が進められている。 日本は、TFコイルを含むITERの中核コンポーネントの開発・製造において大きな役割を果たしている。 量研は、日本政府の指定を受けたITER計画のITER国内機関として、これらのコンポーネントの調達を統括しています。
ITERの超電導TFコイルはD型で、高さ約16.5メートル、幅約9メートル、重さ約300トン。 18 個の TF コイルが真空容器コンテナを取り囲み、強力な磁場 (最大 12 テスラ) を生成して、高温、高密度のプラズマを容器内に閉じ込めます。 ITER プロジェクトでは、合計 19 個の TF コイル (予備 1 個を含む) が必要です。 9 個(予備を含む)は日本で製造され、10 個はヨーロッパで製造されます。 19 個の TF コイルすべての船内コイル構造は、三菱重工の二見工場で製造されます。 三菱電機株式会社は、5 個の TF コイル (予備を含む) 用のニオブ錫 (Nb3Sn) 超電導巻線パックを日本で製造しており、外側のコイル構造は韓国で製造され、最終組み立ては二見工場で行われます。
今回の成果の意義
ITER内にプラズマを閉じ込めるには高精度で強力な磁場(12テスラ)が必要であり、ニオブ錫導体を使ったこれまでにない大型の超電導コイルの開発が必要となる。 超電導性を維持するには、コイルがマイナス269℃の極低温で機能する必要があり、そのような低温に耐えられる特殊なステンレス鋼構造材料の開発と、必要な製造技術が必要でした。 これほどスケールの大きなコイルは前例がなかっただけでなく、巻線やコイルの寸法公差も0.01%以内という高い精度が要求されました。